プログラム

 6月 16日(土)

会場:石垣市民会館「展示ホール」

  13:00 受付開始

  14:30 開会

        開会挨拶 通事 安夫 (NPO法人 八重山星の会 代表理事)

  14:35 諸連絡

  14:40 研究発表(1)

        2017年の彗星発見・観測のまとめ       中村 彰正(30分)

        2017年の主な彗星の光度変化         吉田 誠一(30分)

        私の彗星体験                 通事 安夫(15分)

  15:55 休憩(10分)

  16:05 招待講演 『石垣島天文台の観測成果』

        講師:福島 英雄 氏(元・国立天文台研究技師、大町エネルギー

           博物館友の会「フォーマルハウト」)

  17:05 休憩、移動(15分)

  17:20 記念写真撮影

  17:30 一日目終了

  17:40    運営委員会開始

       ※18:30まで運営委員会を開きますので、運営委員の方は

        引き続き展示ホールへお集まりください


懇親会

会場:豊年満作

  19:00 開始

  21:00 終了


 6月17日(日)

会場:石垣市民会館「展示ホール」

  09:30 二日目開始

  09:35 研究発表(2)

        口径105cmむりかぶし望遠鏡による彗星観測  花山 秀和(20分)

        オールトの雲はあるのか?          谷口 義明(20分)

        彗星夏の学校の42年             蓮尾 隆一(15分)

― 休憩(15分) ―

        彗星有機物と生命の起源の関連        大石 雅寿(20分)

        DESTINY+ミッション:ふたご座流星群母天体である

        小惑星フェートンのフライバイ探査      渡部 潤一(20分)

  11:25 休憩(15分)

  11:40 クロージング

       運営委員会報告、次期開催地、他 渡部 潤一(運営委員長)

  12:00 閉会


公開講演会

会場:石垣市民会館「展示ホール」

  13:00 開場

  13:30 演題『宇宙の謎ーなぜ私たちはここにいるのかー』

        講師:谷口 義明 教授 (放送大学)

  14:30 演題『太陽系小天体の謎ー予測通りにならないから面白いー』

        講師:渡部 潤一 教授 (国立天文台 副台長)

  15:30 全体質疑応答

  16:00 閉会


発表要旨

招待講演

石垣島天文台の観測成果

 福島 英雄(元・国立天文台研究技師)

 2006 年にオープンした石垣島天文台105 cm 望遠鏡について、望遠鏡立ち上げ時の苦労話を交えて、主にこれまでの観測成果を紹介する。その他、公開用画像の処理について説明し、たくさんの画像をみていただきたい。


研究発表 (口頭)

2017 年の彗星発見・観測のまとめ

 中村 彰正(愛媛県久万高原町/久万高原天体観測館)

 2017 年に発見または検出されて符号が振られた彗星について、その発見事情を一覧表として示し、最近の傾向について解説する。またこれらの彗星の軌道要素を掲げ、その軌道が話題となった彗星や特異な軌道を持つ彗星についてコメントする。次に2017 年に行われた位置観測について、天文台別・彗星別のランキングを紹介するとともに、光度観測については、ICQ に報告された国内の観測数の観測者別のランキングを示す。


2017 年の主な彗星の光度変化

 吉田 誠一(神奈川県横浜市/MISAO プロジェクト)

 2017 年に度に観測された主な彗星について、光度変化を振り返る。明るくなった彗星、突発的な変化を見せた彗星、特異な光度変化を見せた彗星などを紹介する。


私の彗星体験

 通事 安夫(沖縄県石垣市/NPO 法人八重山星の会)

 1976 年のウェスト彗星(C/1975 V1)、1996 年の百武彗星(C/1996 B2)、1997 年のヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)、2002 年の池谷・張彗星(153P/Ikeya-Zhang)など、沖縄本島や八重山で撮影した写真を交えて私の彗星体験を紹介します。


口径105cm むりかぶし望遠鏡による彗星観測

 花山 秀和(沖縄県石垣市/国立天文台 水沢VLBI 観測所 石垣島天文台)

 石垣島天文台では口径105cm むりかぶし望遠鏡とMITSuME3 色同時撮像カメラによる観測研究を推進しています。北緯24 度、本土より10 度以上南にある地理的な特徴を活かし、これまで突発天体や太陽系小天体の観測に取り組んできました。彗星の観測においてはダストの微細構造の解析に石垣島のシーイングの良さが活かされています。本講演ではこれまで観測を行った彗星とその研究成果について概要を紹介します。


オールトの雲はあるのか?

 谷口 義明(宮城県仙台市/放送大学)

 彗星の故郷であるオールトの雲は本当に存在するかという問題について議論する。そして、オールトの雲の新たな形成機構として「太陽連星説」を提案する。また、現状で最先端の観測施設であるALMA やすばる望遠鏡を用いてオールトの雲も含めて太陽系外縁天体の探査を行う場合の限界について議論する。


彗星夏の学校の42 年

 蓮尾 隆一(東京都杉並区/国立天文台)

 1976 年に仙台で第一回の彗星夏の学校を開催してから、42 年が経過した。そろそろ、今後の在り方を考えるべきところへ来ていると思うので、これまでに開催された41 回を振り返るとともに、これまでに発行されてきた集録の全タイトルをご紹介したい。


彗星有機物と生命の起源の関連

 大石 雅寿(東京都三鷹市/国立天文台)

 生命は有機物からできている。彗星からも有機物、特にアミノ酸、が発見されたことは、初期地球に彗星などが多量の有機物を運搬したことにより生命が発生したとの仮説をより有力にする。この仮説が正しければ系外惑星にも生命が存在してもおかしくない。講演では、彗星有機物と生命の起源に関連する話題を提供する。


DESTINY+ミッション:ふたご座流星群母天体である小惑星フェートンのフライバイ探査

 渡部 潤一(東京都三鷹市/国立天文台)

 DESTINY+はふたご流星群母天体である小惑星フェートンをフライバイ探査する計画であり、2022 年打ち上げを目指し、JAXA と千葉工大が共同で検討を進めている。フェートンは直径6km で太陽に0.14au まで接近し、ダストを放出する活動小惑星であるが、ダスト放出のメカニズムはわかっていない。本ミッションでは、フェートンから500km 以内の距離を秒速約30km でフライバイし、望遠カメラと多バンドカメラを用いて表層地形と物質分布を調べると共に、ダストアナライザにより周辺ダストの化学組成分析を行い、フェートンの実態の解明を目指す。